新しい技術・文化に対して柔軟な日本の大相撲の世界では1960年代後半からビデオ判定システムが導入されました。
バレーボールの世界でも2000年代に入って本格に同様のシステムが導入され、判定に関するトラブルが激減します。
その他の競技でも、高度な映像技術を有効に活用していこうという動きが2010年代に入って活発になっていきました。
サッカー分野においてはボールのスピードが速い事などにより、レフェリーが球の早さについていけず、度々誤審が起きてきたという事実があります。
そして、試合中において判定を巡って乱闘や試合が中断するような事が起こってきた歴史があり、その点については解決策が求められてきました。また試合後にスポーツニュース等で頻繁にそのシーンが放映され、ひたすらレフェリーが過剰に批判されるという事が繰り返されてきたという歴史をもちます。
そういった様々な問題に対処するため、FIFAは2018年のワールドカップからVAR(Video Assistant Referee)のシステムを本格的に導入する事を決めました。
迎えたワールドカップ本番では予想されていた通り、「ボールがコールを割ったか?」「本当にハンドがあったのか?」誰もがわからないシーンが続出します。そんな中で主審は積極的にVARを活用し、問題のシーンを何度もスロー再生するなどした上で正確なジャッジを下していきました。
2014年のワールドカップまでは大会の規模や価値が大きすぎるだけに判定を巡って様々な問題が起こってきましたが、VARによって判定を巡るトラブルは一気に減りました。